熱燗がすすむ、昔ながらの手作り いか徳利

東日本の隠れたおいしいものを発掘してご紹介するこのコーナー。今回は岩手県の海沿い、山田町にある、昔ながらの製法でいか徳利を作るお店を訪ねました。いか徳利からついだ熱燗を口の中でころがすと、じんわり感じるいかのうまみ。日本酒がさらにおいしくいただけます。

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いか徳利ができるまで

昔から日本各地で作られてきたいか徳利は、作り方や形状も土地によってそれぞれ。なかでも木村商店のいか徳利は、手間と高い技術を要する製法で完成までに1週間以上かかります。
いかが回転台につるされ回っている様子はなんともシュールでおもしろい!熟練のワザを見せていただきました。

  1. 1生いか

    大きさや身のハリ、独特のうまみがあることから、いか徳利にもっとも適しているのがするめいか(真いか)。

  2. 2皮をむく

    1ぱいずつ手作業でていねいに、足、わたや軟骨を除き、きれいに皮をむく。

  3. 3一夜干し

    胴だけになったいかを回転台につるし、天気がよければ屋外で回しながら1日干す。

  4. 4口をつける

    コルク栓をつけ、たこ糸で縛って徳利の「首」の部分を作る。均等にシワを寄せて縛らないとうまくふくらまないため、この作業ができるのは数人のみ。

  5. 5空気を入れる

    再び回転台につるし、空気を入れて干す。乾燥の度合を見ながら、数日かけて繰り返し空気を注入。どれだけ空気を入れるかも熟練の感覚が必要。

  6. 6形を整える

    へらで底を作り、全体の形を整える。テーブルなどにかるくぶつけると「コン」と乾いた音がするまで、さらに1日〜1週間乾かす。

いか徳利の使い方

好みの温度に温めた日本酒を入れ、おちょこについで飲むだけ。
飲み終わったら乾かし、3回ほど繰り返し使えます。
木村商店三代目社長の木村トシさんによると、熱め(50度くらい)に温めたほうが、いかの味が出るそう。
2回目、3回目といかの風味がだんだん濃くなっていくそうです。
あとはちぎって食べてもよし、汁もののだしや煮ものの具としても。いか盃も同様です。

作り手からのメッセージ

木村トシさん

木村商店三代目社長のトシさん。東日本大震災で店や工場を失うも、今ではデパートの催事へ、各地のお祭りへと日々パワフルに駆け回っています。

若いかたにももっと、いか徳利を味わっておいしさを知ってほしいですね。山田町にもおでんせ!

有限会社木村商店
岩手県下閉伊郡山田町豊間根7-30
アクセス
JR山田線宮古駅、またはJR釜石線釜石駅から、車で30分

岩手県下閉伊郡山田町

三陸海岸の最大の特徴、リアス式海岸の山田湾を抱く町。
陸から湾を望むと角度によっては狭い湾口が見えないほどで、ふだんは波静かな内海です。
そんなのどかな山田町も、東日本大震災では津波と火災による大きな被害を受けました。

震災から8年の2019年、不通だったJR山田線宮古駅〜釜石駅間がようやく復旧します。
山田町の復興はまだ途上。いか徳利でおいしいお酒を飲むことが、復興の手助けにもなるのです。

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